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【2つを比較】リッツとルヴァンプライム
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どっちも赤系のパッケージ。そして形も値段もだいたい一緒のリッツとプライムクラッカー!
さて、この2つのクラッカーを検証してみたいと思います。
世界中で愛されるロングセラーのリッツクラッカーについて
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クラッカーの代名詞ともなっているナビスコリッツ。世界中で人気があり、その商品を知らない人がいないくらいです。昔からずっとあって今でもクラッカーの王様です。
赤いパッケージで、スーパーにいったらつい買い物かごにいれたくなってしまいます。そんなリッツですが、当初ヤマザキナビスコとして(現在はヤマザキビスケット)日本で製造販売していました。しかし、とある事情により現在はモンテリーズジャパンが販売しています。(ガムのクロレッツで有名なアメリカの会社です)。
みんなが大好きリッツクラッカー
どんな歴史をたどってきたのか、過去にさかのぼってひも解いてみたいと思います。
Let’s go to the past!
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90年前からあるリッツの歴史とアメリカを振り帰ってみる
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リッツクラッカーを過去を振り返ってみると、工業化が急速に進んだ19世紀頃から、そして1929年から1930年代中盤まで続いた大恐慌時代を経て、第二次世界大戦があり、今に至るまでアメリカの大きな出来事と共に歩んできました。そんな昔からあるリッツクラッカーってすごいですね!
まずはアメリカが、どんな時代だったか、ざっ~くりまとめます。
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19世紀の工業化
- 輸送インフラの発展;鉄道の建設や海運が発展
- 電力の発明;トーマス・エジソン
- 鉄や石炭の採掘:工場の燃料として利用
- 製造技術の発展:大量生産ラインでの生産向上
- 労働力の流入:移民受け入れによる労働力の増加
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大恐慌時代(1929~1930)
- 株価の大暴落:NY証券取引所での株価が急落
- 銀行の破城:多くの銀行が破城し、人々が預金を引き出しに走る。
- 失業者の急増;銀行倒産、企業倒産で失業率が急増
- 貧困の拡大:大勢が貧困に陥り、生活水準が著しく低下
- ニューディール政策:ルーズベルト大統領による経済回復を実施
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第2次世界大戦(1939~1945)
世界規模の大戦争。主な戦闘地域はヨーロッパやアジア太平洋地域であり、参戦国は60カ国以上に及びました。
以下時系列にざっくり
- 1939年9月1日: ドイツがポーランドに侵攻
- 1939年9月3日: イギリスとフランスがドイツに宣戦布告
- 1940年5月10日: ドイツがフランスに侵攻。パリが陥落、フランスは降伏
- 1940年5月26日 – 6月4日 – ダンケルクの戦いが行われる。
- 1941年6月22日: ドイツがソ連に侵攻。独ソ戦が始まる
- 1941年12月7日: 日本が真珠湾を攻撃
- 1941年12月8日: アメリカが日本に宣戦布告。アメリカが参戦する
- 1942年6月4日-6日: ミッドウェー海戦。アメリカ海軍が日本海軍に勝利
- 1943年7月10日-11日: シチリア島侵攻作戦
- 1944年6月6日: ノルマンディー上陸作戦
- 1944年10月20日-28日: レイテ沖海戦。日本海軍が壊滅的な打撃を受ける。
- 1945年4月30日: ヒトラーが自殺。ドイツ降伏に向けた交渉が進む。
- 1945年8月6日・9日: 広島・長崎への原爆投下。日本は降伏を決定する。
- 1945年9月2日: 日本が降伏文書に調印。第2次世界大戦が終結する。
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リッツを製造している『ナビスコ』の誕生秘話
① (ニューヨークビスケットカンパニー)
1792年にピアソン&サンズ・ベーカリーがオープン。船で長旅に持っていける長期間保存のできる堅~いビスケット(Hardtack)を作っていました。ウィリアムさんがそれらのお店6件を買収し、ニューヨークビスケットカンパニーを設立!
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②(アメリカン・ビスケット・アンド・マニュファクチャリング・カンパニー)
1890年に、シカゴで弁護士をしているアドルファスさんが40のお店を買収してアメリカン・ビスケット・アンド・マニュファクチャリング・カンパニーを設立。
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小さなベーカリーがまとめて買収され、大きな会社が設立。そしていくつかの会社が合併してできたのがリッツを作っているナビスコ(ナショナルビスケットカンパニー)です。
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以下文献を参考にさせて頂きました。
Wikipedia ナビスコ より参照
ThoughtCo. より参照
リッツのルーツは18世紀の航海中の食料から
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リッツ等ビスケットのルーツをたどってみる
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スーパーで見かけるお馴染みのビスケットやクラッカー。リッツもそのひとつですが、18世紀に航海中の保存食として食べていた hardtack (日本でいう乾パンみたいなもの)がルーツです。
この hardtack は、長期間保存可能なため、船員やたちの食料として重宝されていました。
船員以外にもかなり保存性が高い為、兵士たちが戦時中に持っていく食料としてもハードタックが登場します。
当時のビスケットの呼び名もハードタック以外に色んな呼び名がありました。日本で言う乾パンの事で非常食ですね!
さてこのハードタックと言われるビスケットですが、保存的には高評価ですが、味は?
ものすごく硬いし、水分がなくパサついている為美味しいとは言えません。(お腹は満たしてくれますが…)
そこで、当時のベーカリーでは膨張剤をプラスしたり美味しく改良を重ねて、今日のビスケットやクラッカーにつながるテイストまでになりました。
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リッツの名前の由来は?→リッツホテルから
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ナビスコリッツ(Ritz)の名前の由来は、あの高級ホテルのザ・リッツカールトンにちなんで付けられました。リッツは、発売当初からホテルのイメージと合わせて、高級感のある商品として位置づけられましたが、価格はお手頃な設定でした。
大恐慌時代の最中にリッツクラッカーを食べる事で一般庶民が少しでも高級感を味わう事ができる商品として当時も大人気でした。
リッツは、アメリカ合衆国で発売され、その後世界中で愛されるクラッカーとなりました。
お馴染みリッツのロゴマークについて
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リッツのロゴマークと言えば、青地の丸に黄色のRITTZの文字。このマークってどんな風にできたのでしょうか?
デザインされた当初からベースは変わらずこのデザインです。(細かいディテールは変わっていますが)。
さて、どのようにデザインされたのでしょうか?
どうやら帽子についているタグのロゴマークからヒントを得たようです。
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大恐慌の最中、ナビスコで働くことになったアーティストのSydney S. Sternは、帽子の内側についているタグのロゴマークからヒントを得て青い円形に黄色の文字のロゴマークを思いつきました。それが今日まで使われているリッツのトレードマークです!
オレオもパクリだけど、実はリッツもパクリ品なの?
世界で一番人気にクラッカーともいえるリッツ。でもリッツが発売される前にそっくりなクラッカーがサンシャインビスケットから既に発売されています。それが このHi-Ho Crackers です。
リッツとそっくり!
サンシャインビスケットってなんか聞いた事あると思ったら、オレオにそっくりなココアビスケットのハイドロックスクッキーの会社ですねー!なるほど。
現在はサンシャインビスケットからLeafに引き継がれています。
オレオよりハイドロックスクッキーの方が先に発売されています。クッキーの模様の細かい所はちがいますが、ココアクッキーに白いクリームをサンドしている所はまったく一緒です!
参考情報→The Untold Truth Of Ritz Crackers
リッツに開いている7つの穴には意味があります
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リッツクラッカーをみると7つの穴がバランスよく均等に開いています。これって模様としてもいい感じですが、他にもちゃんとした理由があって、クラッカーを均等に焼き上げる為のものです。
クラッカーはオーブンで焼くと内部の水分が蒸発して膨らむので、どうしても焼きムラができてしまいます。それを防ぐ為にクラッカーに穴をあけることで、内部の水分が均等に蒸発し、キレイにやきあがります。
パイ生地にフォークやピケフォークと呼ばれる道具で小さな穴を開けることです。生地の表面にできる気泡を防ぎ、またパイ生地が焼き上がるときに生地が膨らみすぎることを防ぐために行われます。
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大恐慌時代のおやつ:リッツで偽アップルパイ? →リンゴ無し
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アップルパイといえば、名前のとおりリンゴのフィリングがたっぷり入ったパイの事。
しかし、アメリカ大恐慌時代には、新鮮なフルーツは高価でなかなか手に入りませんでした。
そんな時代のアイデアとして登場したのが『Mock Apple Pie(モックアップルパイ)』です。
アップルパイの様なでもリンゴを使っていないアップルパイこと『Mock Apple Pie』はリンゴの代わりにリッツを代用しています。
リッツからリンゴの味?と想像できませんが、どうやらリンゴ風の味が楽しめるそうです。
砕いたリッツクラッカーにクリームオブタータ、レモン汁、シナモンを使ってフィリングを作りリンゴの代わりに代用したレシピ! (本家モンテリーズさんのレシピ)
さて、リッツの歴史はこの辺でルヴァンに移ります。。
リッツに変わってルヴァンプライム
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リッツクラッカーは当初ヤマザキがライセンス契約をして製造および販売していましたが、契約が解消された現在はモンテリーズによって販売されています。(オレオも同様です)
そのため、日本製ではなく生産国はインドネシア。
やっぱり国産のクラッカーが食べたい私はヤマザキビスケットのルヴァンプライムが気になります。
ナビスコと契約解除→リッツ作れない
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ヤマザキビスケットは、実はモンテリーズサイドから、「下請けなら、任せてもいい」と言われたのですが、さすがにプライドもあってのことか、だったら契約を解消しますと決断しました。(2016年)
その後はリッツをもう製造できなくなりました。
ヤマザキリッツの代替品を考案する!
当時は、リッツが小麦を原料とし、丸型であるのに対し、ルヴァンはライ麦が原料で、形も八角形。箱もリッツの赤とは間逆の濃紺でした。YBCがこんな対応策を取った理由は、1年間は類似した商品を販売することが許されない契約だったためです。(1年経った今は製造できるみたいですね)
【2つを比較】リッツとルヴァンプライム
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では、2つの商品を検証したいと思います。
見た目も味もそっくり
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右がリッツ、左がルヴァンプライム。
どっちも見分けがつかないほどそっくりです。
でもよーく見るとちょっとしたディテールがちがうかも。
よーく見ると、穴のバランスが均等にあるのがルヴァンプライム!
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そして、厚みを比較してみると・・・
穴のバランスがよいプライムの方がふくらみが均等です。
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割ってみた感じです。
さて、どっちがリッツでルヴァンプライムかわかりますよね?
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正解は・・・右がリッツで左がルヴァンプライムです。
表面にしましまのスジがあるのがリッツ。穴の大きさが大きいのがリッツ。
そっくりですが、だんだん見分け方がわかってきました。(#^.^#)
では、肝心のお味はというと、私が食べた食感ではほとんど同じでどちらもサクサク感があってほんのり塩味がきいていて、ほぼ一緒です!
どっちも美味しい!甲乙つけがたいところです。
どっちを買うか悩んだ時は・・
リッツとルヴァンプライム、味の勝負は同格でしたが、スーパーに2つ並んでいたら、どっちを購入しますか?
私ですが、個人的には日本製を選んでしまいます。
実際に近所のスーパーに行ってみました。
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値段を観ると、ルヴァンプライムの方がお得です。
さて、どっちを買おうかな・・・
私ですが、シェアハウスに住んでいます。
後日、また食べ比べをしてアンケートとってみようと思います。
こうご期待!
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