【タイトル】お金で読み解く世界のニュース
【著者】大村大次郎 (元国税調査官)
【出版社】PHP新書
この本を読んでわかること 『日本人が知らない世界の現実』
本書は、経済に視点をおいて国際情勢を見ることでニュースではわからない世界の現実を解説しています。世界のニュースの裏には必ず懐事情という本音が隠れているらしい・・
本書は歴史からひも解いて世界情勢を解説しているので、世界史の勉強にもなります。
日本人が知らない世界の現実をこの本からお金💰を視点👁に習得しましょう!📚
興味深い内容満載です。普段のニュースからは絶対フォーカスされない、または意図的に避けている話題をダイレクトに知る事ができるので興味深い内容です。
そして、いきつく結論はというと・・・
という事になります。戦争も、人権も、経済も・・・ うーんなるほどです!
money first!
著者について
本書を執筆鉛筆しているのは大村大二郎さん。(さんとか失礼かな( ̄▽ ̄;)💦)
大阪府中出身。元国税調査官。国税庁に10年間、主に法人税担当調査官として勤務。退社後、ビジネス関連を中心としたフリーライターとなる。
お金に詳しい人なのは間違いなしですね! それに加えて歴史にも詳しくお金と歴史を紐づけて時代の流れを本書も含め解説した本が多数出版させています。
お金で読み解く世界のニュース ~目次~
目次をさくっと並べてみます。目次だけ見ていても興味深い内容です・・・現在ニュースで話題になっている賃金が上がらないのはなぜ?本書に解説があります。
カテゴリーが世界の地域別に分かれて説明されているので分かり易い解説となっています。
第1章 借金大国アメリカが世界経済を牛耳る理由
- なぜアメリカの株価は高いのか?
- 史上最悪の借金大国
- アメリカの借金は減る気配がない
- なぜ「双子の赤字」はニュースにならなくなったのか?
- なぜアメリカ経済は凋落したのか
- アメリカ経済を暗転させた西ドイツと日本
- 借金大国なのに経済覇権を握っている不思議
- なぜ借金大国の通貨(ドル)が世界の基軸通貨なのか?
- アメリカを苦しめる西側諸国の経済復興
- 錬金術を手に入れたアメリカ
- 通貨の歴史を変えたアメリカ・ドル
- アメリカの軍事力がドルの信用を裏付ける
- 金本位制の時代ならばアメリカはとっくに破産している
- マネーゲーム国家となったアメリカ
- 金融業が本業となる
- アメリカ・ドルを守るアメリカ軍
- フセインがアメリカに攻撃された理由
第2章 中国の人権問題の裏にある経済問題
- アヘン戦争の恨み
- 世界が驚いた中国共産党政権の誕生
- 国民党は腐敗により自滅した
- 国際社会から無視された中国共産党政権
- 迷走する中国
- 西側諸国との関係を模索する
- 中国の国際デビューを手掛けた日本
- 中国の交際的孤立をすくったのも日本だった
- 中国経済の奇跡の成長
- 資本主義をたくみに使いこなす中国共産党政権
- AIIBという脅威
- 中国がウイグルやチベットを弾圧する経済的理由
- 台湾問題は中国経済のアキレス腱
第3章 ヨーロッパ・再興への挑戦
- EUという巨大な実験
- なぜ犬猿の独仏が組んだのか?
- 敗戦国ドイツの恨み
- 西ドイツの奇跡の復興とは?
- ドイツは元々のポテンシャルが高かった
- アメリカの妨害
- 西ドイツを苦しめたルール工業地帯の連合国管理
- 基軸通貨の座をアメリカから奪い取れ
- ギリシャ危機で大きく後退
- イギリスの不思議な影響力
- タックスヘイブンの黒幕
- 20世紀に凋落したイギリス
- タックスヘイブンは19世紀に起源がある
- 世界中に広がるタックスヘイブン
- 意義率の経済テロ
- リーマン・ショックはロンドン発だった
- なぜロシアはアメリカに強くものを言えるのか?
第4章 イスラム世界と欧米の経済対立
- 中東問題の根本はお金
- イギリスの三枚舌が中東の火種となった
- 中東情勢をさらに複雑化させた「オイル・マネー」
- アメリカとサウジアラビアの密約とは?
- アメリカとイスラエルの蜜月関係
- 産油国の蜂起
- オイル・ショックとは何だったのか?
- 皮肉にもオイル・ショックがアラブ諸国の亀裂を生む
- エジプトとイスラエルの電撃和解の背景
- イラン革命の衝撃
- アフガニスタンのタリバンはなぜ復活したのか?
- ソ連の撤退とタリバンの台頭
- タリバンがアフガニスタン国民の支持を集めた理由
- 仇となったビン・ラディンの存在
- タリバンの懸命な外交活動
- アフガニスタンと欧米の泥沼の戦い
- 国の貧困化がタリバンを強くした
第5章 なぜ日本の国際的地位は低下したのか?
- ベルリンの壁崩壊が日本のバブル崩壊をもたらした
- 戦後の日本経済は「鉄」で復活した
- アメリカを追い詰めた日本の輸出攻勢
- 高度成長をもたらした所得倍増計画とは?
- ソ連の崩壊により奇跡的にアメリカ経済が復活
- アメリカが日本に買い取られる恐怖
- 「公共事業を増大せよ!」というアメリカの要求
- 日本の巨額赤字公債の本当の原因
- 日本は630兆円をドブに捨てた
- バブルを崩壊させたのはアメリカだった⁉
- 先進国最悪の非正規雇用の割合
- 少子化の原因の一つは非正規雇用
- 企業は世界一金をため込んでいるのに賃金はあげない
- 値下げが日本経済低迷の元凶
- 今の日本に必要なのは「経済循環」
第6章 世界経済の行方
- 新型コロナ後の世界経済
- 温暖化と格差社会
- アメリカが借金を増やすことで世界経済が回るという矛盾
- 「世界中央銀行」と「世界通貨」の創設が急務
- ユーロという絶好の手本がある
- アメリカ経済を崩壊させてはならない
- 環境問題や格差問題の財源になる
- MMT(現代貨幣理論)とは?
- 世界経済の起爆剤になる
- 富裕層から間接的に税をとることができる
世界トップのアメリカが借金大国⁈
アメリカは経済状態が世界最悪の国
アメリカって世界一の経済大国だと思っています。テレビのニュースをみてもそうだし、世界を牛耳っているのもアメリカ。
本書によるとそんなアメリカが「史上最悪の借金大国」と書いてあります。
えっアメリカが?って感じですよね。
アメリカの債務残高は約28.5兆ドル(日本円で約3000兆円)だそうです!
そういわれてもイメージできませんが💦
この辺の詳細や財政内訳、エビデンス等はちょっと数値がならんで専門用語も難しいので飛ばして、なぜそんな状況に陥ってしまったのか?という所にフォーカスしてみます🔎。
※詳しく知りたい人は本書を手に取ってチェック!
第二次世界大戦後までのアメリカは潤っていた!
アメリカはイギリス他EUからの移民によって開拓されました。世界第3位の広大な土地は農業に適しており、自給率も高く、農産物を輸出にも回すことができ、その上資源が豊富で実は世界最大の原油国でもあります。
そして、第一次世界大戦、第二次世界大戦による本土の被害はほとんどなく、連合国に軍事物資を売っていました。農産物、工業製品、軍事物資等輸出大国で国内は潤っていたのです。
アメリカ経済を揺さぶった西ドイツと日本
輸出大国であり、経済が無敵だったアメリカがなぜ貿易赤字に苦しみ、借金をかかえてしまったのか?
どうやら原因は以下にあるようです。
西ドイツは工業分野には強くアメリカに次いて世界第2位の工業国であり、ラッキーなことに戦争による工業設備の被害をほどんど受けずに済みました。(被害を受けたのはわずか20%)。そのため戦後のドイツ工業産業は瞬く間に進み、国民の生活もあがり、輸出もどんどん増えていきました。
ヨーロッパの工業製品の輸出枠をドイツが奪う事になり、必然的にアメリカのシェアが小さくなっていってしまいました。
そしてもう一つは戦後の日本の発展です!輸出をメインに経済成長しました。主には自動車、鉄などアメリカの輸出のシェアを奪っていきました。
借金大国アメリカが経済覇権を握っている理由
本書によると借金大国のアメリカ。そんなアメリカが世界経済を仕切っているのは事実です。
それはなぜか?
IMF (International Money Fund)国際通貨基金は所在地はアメリカのワシントンDCにあり、加盟国190か国で成り立っていますが、アメリカが15%以上で1番の出資国であるため、議決権をもっています。アメリカに議決権があります。
また、世界の基軸通貨と言えばドルですが、貿易の取引もドルを使っていますし、日本がアラブから石油を買う際にもドルにて取引され、世界中で取引決済に使われる通貨はそうです!ドルなのです。
世界はドルで回っているって事ですね!
なぜ、アメリカドルが基軸通貨になったのか?歴史を紐解いていくと答えがわかります。ここでは長くなるので割愛しますが、詳しく知りたい人は本書にてチェックしてください!
アメリカは、基軸通貨がドルである続けるように必死になっていて、もしアメリカドルが基軸通貨で無くなってしまうと、アメリカ経済は破城に向かってしまいます💦。
時にはアメリカは、軍事力を屈してこの基軸通貨を守っています。
そんなドルが危うい時がありました💦( ̄▽ ̄;) 本書ではイラク戦争の事例を挙げて、分かり易く説明されています。
フセインがアメリカに攻撃された理由(イラク戦争の実態)
まず、イラク戦争を振り返ってみましょう!
イラク戦争とは?
2003年,アメリカ・イギリスを中心とする多国籍軍とイラクと間で行われた戦争。イラクのサダム=フセイン政権が核兵器などの大量破壊兵器を開発していると疑惑をもたれ,その破棄を求めたアメリカと対立したことを主な原因としている。アメリカはイラクへの武力行使を主張したが,ドイツ・フランス・ロシア・中国などが反対する姿勢をみせたため,国連の決議のないまま2003年3月,首都バグダッドを爆撃。アメリカ軍は地上部隊を投入し,同年4月にバクダッドが事実上陥落。フセイン大統領が逃亡し,フセイン政権は崩壊した。2008年にアメリカのオバマ大統領が戦争終結を宣言,2011年末に撤退を完了した。◇のちに,イラクには大量破壊兵器がなかったことが判明した。
経済面からイラク戦争を紐解いてみる
本書は経済面をトリガーに世界情勢を見ています。違った視点から解説されていて、読んでいてなんとなくなるほど~って納得してしまう内容です。
実は、アメリカドルが基軸通貨であることに不信感を持っている国も多々あります。
そして、その脅威にあたる通貨がEUの共通通貨である『ユーロ€』。EU諸国も借金大国のアメリカにずっと経済覇権をとられているのはちょっとどうなの?って不信に思っていたかもしれません。
そんな中、イラクのフセイン大統領が登場します。
フセイン大統領は石油取引をドル建てからユーロ建てに変更したのです。
そんな状況をアメリカがたまっているはずがありません!
アメリカがフセインに激おこです!
なんとしても基軸通貨を他の通貨に奪われるわけにはいきません!
アメリカとしてはどうしてもイラクをたたく必要が生じた。
そのため、『大量破壊兵器を隠し持っている』と難癖をつけて、イラク戦争を起こしフセイン政権を倒したのだ。アメリカはイラク戦争でフセイン政権が崩壊するとすぐにイラクの石油取引をドル建てに戻している。
このイラク戦争だけではなく、アメリカがドルを防衛するために行ったと思われる戦争や紛争介入は、多々あるのだ。
アメリカはっ軍事力を用いてでも、『基軸通貨』、『世界経済の中心』を守ってきたのだ。
本書56ページ抜粋
さて、アメリカ事情はこの辺にして中国に目を向けてみます。
中国の人権問題の裏にある経済問題
アヘン戦争で打撃を受けた中国の反撃
日本のお隣、中国についてです。中国のイメージというと主張が強く、無理を押し通すような強引さがあります。経済成長により今ではGDPでアメリカについで世界第2位となっています。
そのため、現在アメリカと中国の派遣争いがニュースでよく取り上げられています。
まず、近年の中国の経済成長を知るためにはアヘン戦争までさかのぼる必要があります。今の中国人の国民性にも影響を与えています。
ちなみにアヘン(けしの実)はこんな植物です。麻薬の一種ですね!
アヘン戦争を振り返ってみる
18世紀頃、産業革命に成功したイギリスはアジア進出し、中国からお茶、絹を輸入していました。
イギリスの紅茶文化が中国からのお茶の輸入に起因しています。大人気の紅茶と良質な絹の輸入が莫大に増え、その代わりイギリスから銀が中国へ流出します。
銀が大量に流れるのを止めたかったイギリスは、裏取引でアヘンを中国へ輸出します。
アヘンを製造するのは当時イギリスの植民地だったインド。
インドでアヘンを栽培し、中国へ売りつけ、お茶や絹の代金を銀ではなくアヘンで支払ったのです。
これを、悪の『三角貿易』と言います。
さらに、イギリスは中国内にアヘンサロンを開いて高級バー的に若い女性に接客させアヘンを普及させていきます。
中国人をドラッグづけ(麻薬中毒)にしてしまう作戦ですね💦。
なんかイギリスひどくない💦( ̄▽ ̄;)
そりゃ中国(当時清)サイドも黙っていないはずです。
中国政府はアヘンの輸入を禁止します。密輸港となっていた広東でアヘンの積み荷を没収します。
そしたら、イギリスはというと、軍事力を使って艦隊を派遣し、戦争を挑んできます。
これがアヘン戦争です!
結果、イギリスの勝利で1842年に香港を奪われ、その後も事実上アヘンの輸入を黙認することになります。(今では返還されていますが)
混乱した中国の復活!
100年以上の混乱の中、中国を復活させたのは、そうあの方です!
毛沢東!さん 共産党の人です。
アメリがやイギリスの西側諸国が中国に介入するも、色々な事変を経て共産党政府が覇権をとる流れになり今に至ります。
今もアメリカ率いる西側連合 VS 中国他共産国の対立が続いている原因のひとつがここにありそうですね。
詳しく詳細知りたい方は本書66ページ~読んでみて!
経済面からウイグルやチベット弾圧問題をみる
ウイグルチベット問題はニュースでたまに見かけます。このウイグル問題に必ずといって登場する企業があります。そう、ファーストリテイリングの『ユニクロ』です。
新疆ウイグル綿問題でよく取り上げられますが、👉「ユニクロ ウイグル」でググるといっぱいニュースが出てくるのでチェックしてみてください。
賛否両論な意見があります。(情報の見極め重要ですね!一次情報です!)
中国はチベット、ウイグルで人権侵害があるとして西側諸国から厳しい指摘を受けています。この人権問題にも筆者いわくどうやらお金💰事情がありそうです。
中国にある自治区分布
世界最大の人口をかかえる中国。そして世界で4番目に広い土地をもつ中国。そんな誰もが知る中国ですが、地図の分布をみると、自治区の割合が多い事に気づきました。この状況は知らなかったですね!自治区の割合は中国全土の約65%を占めています。
本書によると、中国の人口の約92%は漢民族に対して他の少数民族は8%。つまりは65%の広大な土地を8%の少数民族が持っていることになります。
ウイグルはイスラム教を信仰している人が多く、宗教問題による独立運動など紛争が続いているなか、中国政府は強硬な弾圧によって取り締まっています。
独立が成立してしまうと広大な中国の土地を失ってしまうほか、自治区にある豊富な資源も失ってしまうからです。
中国のウイグル、チベットなどの人権問題は、政治信条や宗教思想の問題ではなく、根底はそろばん勘定の問題なのである。
本誌P93ページより
最近では台湾有事や尖閣諸島問題、一帯一路など話題絶えない中国ですが、さらに詳しく知りたい方はぜび本書にてチェックしてみてください。
さて、中国に関してはこの辺で、ヨーロッパおよび中東も興味深い内容満載ですが、飛ばして自分の国、日本についてフォーカスしていきます。
本書にはアメリカが撤退したアフガニスタンのタリバン政権についてもニュースと違った視点で説明されています。
ヨーロッパ、中東は本書を手に取ってチェック!
戦後に経済成長した日本、現在は ?
バブルが弾けて現在も低迷続く日本
戦後の急成長により、バブルが弾けるまで好景気が続いた日本ですが、現在はというと…
物価は上昇するのに、給料は一向にあがらないというニュースをよく耳にます。そして国民生活は一向によくならず、むしろ悪化しており、さらには格差が広がり続けています。
経済状況の行き詰まりを表現する言葉で『Japanification/ジャパニフィケーション』なんて言葉もあるくらいです💦。はたして日本は大丈夫なのでしょうか?
データで見ていきます。
本書によると、国民一人当たりのGDPは2020年のデータで24位となっています。香港、シンガポール、カタールより低い。
では、最近のデータをチェックしてみます。日本は28位。下がっています。
28位がよいのか悪いのか?1995年には日本は世界第3位だったのに、かなり下がっています。そして先進国と比べると低い順位ですね!
さらにこっちの情報のが衝撃できなのですが…( ̄▽ ̄;)💦まぢぃ?
*OECDから衝撃的なデータが発表されました。2020年の調査によると、日本人の給料は韓国より低いということが判明したのである。日本の平均賃金はOECD加盟35か国の中で22位であり、19位である韓国よりも年間で38万円ほど安くなっているという結果がでたのだ。
本書202ページ引用
*OECDは「Organisation for Economic Co-operation and Development:経済協力開発機構」の略で、本部はフランスのパリに置かれています。
さて、こんな状況になっている日本。原因を紐解くには戦後の日本を振り返ってみる必要がありそうです。
戦後の日本経済は「鉄」で復活する
戦後の日本と言えば、GHQ(General Headquarters, the Supreme Commander for the Allied Powers)が日本を牛耳っていました。長い💦。日本語では連合国最高司令官総司令。
第二次世界大戦に負けた日本にやってきて、占領政策を行っていました。本書によると要は「日本が二度とアメリカと戦争できないような国にすること」だったそうで💦
そうこの人!マッカーサーがGHQトップの人です!
この人は日本の軍事力を弱める為、重工業の復興や船舶の保有を制限しました。さらには日本の重工業の設備を東南アジアに移管しようと企んでいました。
しかし、その企みはうまくいきませんでした、
なせなら…
そうです、冷戦(Cold War)が始まったからです!ソ連とアメリカの対立です。
ロシアの前身ソビエト連邦は東ヨーロッパの国々に共産主義政権を広めていきました。だんたんと中国大陸や朝鮮などアジアにも手広くせまってきました。
これをみてアメリカはヤバい💦と思い、
日本を早く復興させてソ連に対抗しようと考えました。
ソ連に対抗する為に、GHQは日本を軍需工場にしようと180度方向転換し、軍事につながる『鉄鋼業』をいちはやく復興させようと試みました。(本来の目的は日本の復興を阻止するはずでしたが…)
そうです!こうして鉄で日本は復興したのです!
アメリカを追い詰めた日本の輸出攻撃
その後の経済回復は一気に進み、鉄、繊維、電化製品、自動車でアメリカに輸出攻撃を開始していきます。
アメリカはというと、日米貿易で赤字を抱えてしまいます。
日本のアメリカへの輸出はどんどん加速していきます。そして急激な経済成長をしていきます。
日本がアメリカを買う
貿易で💰お金を稼いだ日本は巨大なマネーで世界の不動産や企業買収を始めます。大きな事例としては以下の2つがあります。
- ロックフェラーセンターを買収した三菱地所
- ソニーがハリウッド映画のコロンビア映画を買収
コロンビア映画は、『スタンドバイミー』、『アラビアのロレンス』、『戦場にかける橋』、『クレイマークレイマー』等々が有名です。
この状況をもちろん、アメリカは快く思っていません。
アメリカの日本への要求
アメリカのは最大の貿易赤字国の日本を何とかしたかった。
そこで、『日米構造協議』を実施します。
日米構造協議とは?
アメリカ合衆国と日本が両国の国内における経済構造・制度・慣行などの改善をめざして行われた外交交渉。協議は,1989年9月から1990年6月まで行われたが,のち日米包括経済協議にひきつがれた。
協議のねらいは日米間の貿易不均衡の解消にあり,その大きな原因は日本市場の閉鎖性にあるとするアメリカの主張から協議は開始された。
アメリカが次々に日本につきつける難問は,ジャパン=バッシング(日本たたき)といわれた。
学研キッズネットより引用
要はアメリカの一方的な要求を受け入れるための協議ですね💦
アメリカの要求!公共事業に金を使え!
アメリカは日本のインフラが遅れていると指摘し、公共事業にジャパンマネーを使わせようとしました。海外での売却を食い止めるために。
日本はこの要求を受け入れてしまいます。
公約として10年間で630兆円の公共事業を行うと明言しました。
著者はこの莫大な公共投資がその後の日本経済に多大なダメージを与えたと言っています。
日本は630兆円をドブに捨てた‼
公共事業、どんな使われ方をしたのでしょうか?
公共事業というのは、どうしても政治が絡んできます。
地方議員が地元に公共事業を誘致したり、その代わりに支持率を集めたり、または建設業者との癒着があったり、政治資金の賄賂があったりで政治の食い物にされてしまいます。💦
そのおかげで無駄な道路を作ったり、利用価値のない建物を建てたりジャンジャン税金の無駄遣いをしていきます。
日本の国際赤字や不況はこういった過去の浪費が原因の一つでもあります。
国民はもっと有効な税金の使い道をしてくれ~って叫びたいところです💦。
先進国最悪の非正規雇用の割合
バブル崩壊後、不況続きの日本。
日本の経済界は禁じてともいえるような方向転換を打った。『雇用の切り捨て』『賃金の切り下げ』にてを出すようになったのだ。
1995年経団連は「不景気を乗り切るための雇用の流動化」を提唱した。
雇用の流動化というと聞こえはいいが、要は「いつでも正社員の首を切れて、賃金も安い非正規社員を増やせるような雇用ルールにして人件費を抑制させる」ということである。
本書231ページ引用
非正規雇用問題、いまだにクローズアップされています💦
正規社員と非正規社員の賃金差の実情をさぐる(2022年公開版)
貧困格差が広がっている中、政府は「雇用の流動化」を後押しします。
まず、労働者派遣法を改訂します。
今まで26業種のみ適用だった派遣労働可能業種を一部を除き全面認めてしまいました。
派遣法が除外されていた『製造業』も可能に。
製造業での労働者の派遣がなぜ禁止されていたか?
製造業では危険な作業が多く、労働災害が起こりやすい。労災の責任を明らかにするためにも、企業が直接雇用することを義務付けていたのだ。また製造業では、繁忙期と閑散期の差が大きいので、派遣社員を許してしまうと、『簡単に首を切る』ということにつながる。それでは、労働者の生活の安定が図れない。そのために、製造業への派遣は禁止されていたのだ。
本書232ページ引用
なるほど、理にかなってる気がしますよね!それを変えてしまったとは( ̄▽ ̄;)💦
誰のせいだ? こいつだな!
ではでは、非正規雇用の現状を他の先進国と比べてみます。他の主要先進国と比較しても日本の割合が多く、しかも日本の場合は労働条件が著しく悪く、正規雇用と比較しても低賃金、社会保険に加入できない人も多いです。
格差が広がり、給料も上がらない。さて、日本はどうなっていくのでしょうかね…
お金で読み解く世界のニュース
本書を読んでみて、なるほどーと思う事が多々ありました。あらためて歴史を振り返る事ができ楽しく読む事ができました。
アヘン戦争なんて詳しくは知らなかったかも( ̄▽ ̄;) 本書で勉強しました。
やっぱりどんな政策、戦争、または環境問題、デモや民族紛争etc ..そしてオリンピックなどもやっぱり蓋を開けるとお金が絡んでいることが多いんだなーって思います。
ヨーロッパと中東はご紹介を割愛しましたが、こちらも興味深い内容です。ぜひ手に取って読んでみてくださいな。
お金を通しての歴史の勉強、そして世界ニュースについて本書で学んでみるのはいかが?
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